伝統工芸「九谷赤絵(くたにあかえ)」作家の見附正康先生によるトークイベントを開催いたします。一度見た者の目に焼き付く作品は、日本国内の様々な風景や、国外の伝統的な建築物、また芸術作品など、様々な事象からインスピレーションを受け、生み出されていると見附さんは語ります。わずか1㎜に満たない空間に3~5本の極細線を描き込む技術は、見附さんにしか生み出せない奇跡の極致美です。
本イベントでは、見附さんの作品つくりにかける思いを語っていただくほか、実際に作品制作のデモンストレーションを間近でご来場の皆様にご覧いただきます。また、今回は特別に、ご来場の方に先生の指導のもと、作品に実際に筆で線の書入れを体験していただきます。様々な感覚をフル活用させて、感性を研ぎ澄ませましょう。
概要
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九谷赤絵 見附正康
1975年石川県生まれ。加賀市片山津に工房を構え、九谷焼の伝統技法のひとつ「赤絵細描」の作品を制作。子どものころから書道や絵画を得意とし、高校卒業後、石川県九谷焼技術研修所へ進む。九谷焼の基礎的な技術を学びながら、途絶えていた赤絵細描を復興させた第一人者である福島武山に出会ったことで赤絵細描に魅了される。卒業後、外弟子として10年間師事して技術を習得した。伝統技法を受け継ぎながらも、緻密な線で描かれた遠近感ある独特な文様で構成された茶器、大皿などの作品は、白の磁肌に艶を配した落ち着いた赤色が映え多くの人々を魅了している。2010年、第1回金沢・世界工芸トリエンナーレ展(金沢21世紀美術館)、2014年、日本スイス国交樹立150周年記念の一環として行われたロジカルエモーション-日本現代美術展に出品してスイス、ポーランド、ドイツを巡回するなど、国内外の展覧会に出展。同年に三重県で開催された第9回パラミタ陶芸大賞展で大賞を受賞した。
小泉優莉菜(聞き手・財団学芸員)
日本の無形の伝統文化に関して研究を精力的に行う研究者。博士(歴史民俗資料学)。今回のワークショップでは中川先生の聞き手を務め、その人柄や、作品制作にかける思いの深みを聞き出す。公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団学芸員、跡見女子学園大学兼任講師。